代数幾何入門

場の量子論の入門について少しタイプしたんですけど自分の納得の行くものではなくて下書きのままとなってしまってます。久々の更新ですがintuitiveな代数幾何のモチベーションの話と行きます。代数幾何というのは代数方程式の解の形を調べるものです。線形代数的な話だと解の形は直線、平面…ですよね。これの複雑なやつです。一つ例を出しましょう。

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楕円曲線ですね。x1が2n以下の整数のときは解が1つでそれ以外は2つですね、整数以外のときは2つの複素数に対応するので2つの複素数平面が必要です。それでその解は全然別物では無くて原点を中心に2π度回転すると入れ替わるものですね。リーマン面をイメージしてくれたらわかりやすいです。2つの複素数平面を整数のところで同一視したものが対応しそうです([1,2],...,[2n−1,2n]を切ったやつですね。3のときこんな図形になります

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更に複素数平面をコンパクト化すると

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種数2の図形となっちゃいます。(前回とは切ってるところが違います。)コンパクト化って要するに射影化ですね。

じゃあもし上の方程式に一つの(x1-n)のnをn+1に置き換えて重解があったらどうでしょう?重解があったらその解の周りの微分係数は0となります。なのでヤコビ行列の階数が低くなります。今のは解析的な説明でしたが幾何的に言うと2つの整数が近づいて同じになったらどうなっちゃうの〜ってことです。一点でギリギリ繋がってる状態ですね。この点を特異点と言います。

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 では一般的な場合はどうするか?という話ですがここでfをd次の多項式と考えます。

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このfについての式が十分に一般的だったら解けません。が先見たように特異点があっても種数が変わらないのでd個の線形方程式の積と考えます。

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これをコンパクト化したものを射影平面で書くとこうなります。

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Bezoutの定理により射影曲線の中のどの二点も交差しますね。2つの円の選び方はnC2通りでつながっています。しかしd-1個は全部の図形をくっつけるために使われるので種数は(d-1)(d-2)/2個となります。さっきの超楕円曲線の例は特異点が分岐してるので適応できません。

 ここまで代数幾何の話をしてきましたが多項式ばっかり調べてて一般性が低いのでは?と思われるかもしれません。しかしコンパクトの複素射影代数多様体はケーラー多様体になり複素多様体として調べることができますし(フビニスタディ計量が入ってますね)逆にケーラー多様体(の特別なホッジ多様体)は周の補題と小平の埋め込み定理により代数多様体になります。これの何が嬉しいのかというと弦理論では素粒子は点では無く一次元の大きさを持った紐だと解釈されるらしいんですが(大きさがあることによって相互作用がある程度打ち消されて重力のくりこみが可能になると聞いたことがあります)その紐がいる世界はどちらかと言えば複素解析的な世界で、それは代数方程式で表せられるものらしいです。GAGAってやつですね。一番簡単な例だとコンパクト化された複素数平面の自己同型射は有理関数(有理型関数ではないです)で2つの多項式の比として表せられます。で、その中でも一番代数幾何と関係が深い分野は数え上げ幾何学と呼ばれてるもので、例えばどんな問題があるのかというと

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この複素4次元の空間にいくつ直線が存在するか?というもので(イメージ湧きにくいと思うんで実三次元に射影したもので話すと

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こうなるんですが(多少位相的に不正確です)、この図形には式によって変わらず27個の直線が存在するそうです。

オチはありません