G-構造(群コホモロジー、幾何学的構造)

クライン流の視点をリーマン幾何を含む形で拡張したものがCartanのG構造の幾何です。ユークリッド空間R^nとそれに作用するリー群Gの組(G,R^n)に対しn次元多様体MのG構造とはMの接束TMの構造群GL(n,R)のGへの簡約のことです。つまりMの開被覆を取って接束TMを自明束の貼り合わせとして表すときに変換関数の値をGにとることです、スピン群のようにGL(n,R)の部分群出ない場合は持ち上げる形になります、代表的なのがG=GL+(n,R)、O(n),GL(n/2,C)がありそれぞれ向き付けられた多様体、リーマン多様体、概複素多様体となります、G構造はテンソル場によって特徴付けられてそれはそれぞれ体積形式(どこでもゼロにならない最高次の微分形式)、リーマン軽量(至る所正定値な2階の対称テンソル)、概複素構造となります、更に重要な概念が積分可能性でリーマン多様体が平坦なのはリーマン曲率テンソルがゼロのときで概複素構造が積分可能なときはNIJENUISテンソルがゼロのときです。(リーマン多様体がR^nの開集合を等長写像で貼り合わせれるとき平坦多様体とよばれます、複素多様体はC^nと双正則な写像で貼り合わせて得られます(双正則は微分同相に比べると硬いですが等長よりは柔らかいです。

ここで話を変えてG-集合の話にします、(特にG-群)Γを任意の群としてφ:G×Γ→ΓであるがΓは群なので群構造を反映させるためにφ(s,xy)=φ(s,x)φ(s,y)を加えこれをG-群と言います、これの不動点を0次のコホモロジー集合と呼びます。(なぜそう呼ぶのかは少し後に説明します)コサイクルを導入して写像 c:G→Γがコサイクルとはc(s)(s)・c(t)とし共役類に入ってたらコサイクルの同値とする。コサイクルの集合を一次のコホモロジーと呼びます。群作用が自明なときH0(G,Γ)=Γでc(st)=c(t)となり準同型の写像と一致します。

G-加群はアーベル群に定義される加群で集合は圏となるので(射はf(gx)=g(f(x))と(群の要素gと加群の要素xについて定義されます)MからG不変のMの集合への射はG-加群からアーベル群への関手を定義します。

コチェイン複体で定義するとd^n+1:Cn(G,M)→Cn+1(G,M)で、Cn(G,M)とはG^nからMへのすべての写像で(ただしn=0のときはM自身)d^n+1(φ(g1…gn+1))=g1φ(g2…gn+1)+Σ(-1)^iφ(g1…gi-1,gi+1…gn+1)+(-1)^n+1^φ(g1…gn)でこれはちゃんとしたコチェイン複体になってます。確かにこの定義だと不動点になりますね。

後EXT関手でも定義されるみたいです。群環Z[G]を左G-加群だと見なして長完全系列

Z[G^i]→Z[G^i-1]…→Zをd:(g1…gn)→Σ(-1)^i(g1…gi-1,gi+1…gn)^)が作れて、更に

Z[G]加群N,Mに関してHomG(N,M)はアーベル群でHom(-,A)は矢印の向きを保存する反変関手

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こういう完全系列が作れて、H^n(G,M)=H^n(Hom(Z[G],M))=Ext(Z,M)と定義できます。(これは一般の射影加群にも定義されます。

Hom(Z[G],A)とC^n(G,M)は同型です。ガロアコホモロジーは群コホモロジーの一種です(連続な、Kurll位相の入ったやつです。群ホモロジーなる概念もあるそうですがこれはTorで定義される見たいですね。

ところで最近表現論とHopf代数について勉強したんですがまだ記事にできてません。頑張って記事にしなければ。(メモですけどHopf代数も群環ですね、大事な概念っぽいです

とここからは具体的な対称で話したいと思います

lを奇素数としてξ=e^2πi/lとしK=Q(ξ)、R=OkをKの整数環、GをK/Qのガロア群としてみます。R=Z[ξ]≡Z^l-1でG≡Fl☓なのでs・ξ=ξ^sがなりたちます。でガロア群の作用はルジャンドル指標には自明なのでルジャンドル指標はG-群のコサイクルとなり、0次コホモロジーはMc={x∈R;x=λl(x)}となります、そこでx=Σxtξ^tと書いてsを作用させるとs・x=Σxtξ^st=Σxs^-1tξ^tとなります。ここでx∈Mc、cをルジャンドル指標とするとΣxtξ^t=x=λl(s)=Σλl(s)xs^-1tξ^tとなりxt=λl(s)xs^-1tとなってs=tと置けばxt=λ(t)x1となります。同様にしていくとx=x1Σλl(t)ξ^tでガウス和になりますね。ということでガウス和もある種の「保型性」を持つことがわかります。

じゃあ本物の保型関数のようなものの例としてモジュラー群を考えます。Hを上半平面、R=O(H)(Hで定義された正則関数の環とします)で群の作用をs・x(τ)=x(s^-1τ)=x(aτ+b/cτ+d)で決めます。c(s)=1/(cτ+d)^4はコサイクルとなります(計算してみたらわかります)で、このコサイクルでのガウス和の類似はアイゼンシュタイン級数のもっとも簡単なものとなります。別のコサイクルからテータ関数も出てきます。この2つの和のアイデアを統一したものがポアンカレ和と言われるものになります。